本文記事―97年9月

 


 
ある村の農協から指定袋作成の打診

【9月30日=馬場】今回、山梨県のある村の農協から「村独自の指定ごみ袋をつくりたいんだけど、いくらぐらいになりますか?」と電話がありました。以前に一度、同農協を訪問していることから馬場が応対し、「高くつきますから、やめた方がいいですよ」と釘を差しておきました。

 その農協は、当社製造の大月都留広域行政事務組合指定袋を購入し、販売している経緯があります。そのことを簡単に説明しますと、以前その村が使用していた焼却施設は「ダイオキシン濃度の基準値」を越してしまい、閉鎖になってしまいました。そこで村内のごみを大月都留広域行政事務組合に搬入し処理することにしたわけです。大月市内と都留市内では組合の指定袋の使用を義務付けていますので、丹波山村もその指定袋を使用せざるを得なくなったわけです。

 今回の話は、ごみの焼却処理を大月都留広域行政事務組合から上野原の焼却炉へ移行することに端を発しています。聞かれたポイントは、(1)丹波山村独自の指定ごみ袋をつくったら、いくらぐらいになるのか? (2)印刷を入れなくてもレジ袋タイプのごみ袋はつくれるのか?でした。

 (1)に対しては、「数量にもよりますが、大月都留の指定袋よりは間違いなく高くなります」と応え、(2)に対しては、「特注品として製造することは可能です」と応えました。しかし最終的には、印刷の無い、普通の平袋、透明・半透明タイプを奨めました。

 10月1日から移行するとのことですが、在庫の関係もあり、しばらくの間は大月都留の指定袋を使用するようです。具体的には何も決まっている様子はなく、これから役場と相談して決めるようなことを言ってました。ここにも担当者(?)−−正確に言えば農協の人ですから「指定袋の仕掛人」とでも言うべきでしょうか? −−の自己満足の世界がうかがえます。指定袋、特注品、いずれにしても、人口約1000人(400世帯)の市町村に対応する価値は見いだせない気がします。

 


 
名古屋市、議会で透明袋の検討開始を表明

【9月30日=小塩】いよいよ来るものが来たという感じです。中日新聞9月27日付朝刊の20面の記事によれば、名古屋市議会本会議の中でひとりの議員が「透明のごみ袋を採用したら」と提案したところ、市側は「市民の理解を得ながら、検討していきたい」と答弁したとしています。

 いよいよ大都市名古屋も透明袋への移行ということになるのでしょうか? 今後の動向には十分注意していきたいところです。

 →記事からの一部抜粋

 


 

経企庁長官へ規制緩和要望メール

【9月26日=小塩】25日の日経新聞に「景気回復に苦心の策/規制緩和の要望を募集/経企庁、電子メールなどで」と題した小さな囲み記事がでました。尾身幸次経企庁長官が直々に「規制がじゃまでビジネスが滞っている。おかしいぞ、不便だ、という率直な声を寄せてほしい」という声明を発表しており、メールの宛先が明記されています。

 けさ、上司である野上社長(日本サニパック)が私のところにやってきてその記事を見せ、うちでも送ったらどうかというので、さっそく「要望」の文章を書き上げ、e-mailで送信しました。考える会でなく日本サニパックの名前で送りましたが、それは会員の了解をとりつける前に一刻も早く送りたかったからです。ちなみに尾身長官の選挙事務所の所在地が前橋市内にあることはインターネットで調べてすぐ判りました。

 →規制緩和メール全文

 


 
北九州市、部内では有料袋導入の意向が強固

【9月17日=小塩】北九州市に電話を入れたところ、はからずもその場で担当者と踏み込んだ意見の交換をする形となり、当局側の状況をおおよそ了解することができました。

 さきごろ同市で発表された行革大綱では、課題の一つにごみ有料化を掲げています。この上層部の決定は事務方である環境局計画課にとっては絶対的なものであるらしく、すでに有料化を行うことは必至な情勢です。問題はその手法ですが、当局側はシール制には拒絶反応を見せており、いわゆるプリペイド袋制を前提としてこれから準備にかかる意向であることを明言しています。

 担当者の話ぶりからは、指定袋制度に対し相当の研究を重ねている跡がうかがえ、政令市で初めての有料袋制実施という難題でありがながらも強い意欲を見せています。はたして北九州市はさまざまに予想される難題を乗り越えて、しかも不適切なプロセスは避けながら実施にこぎ着けることができるのでしょうか?

 →電話によるやりとりの模様

 


 
北九州市、有料袋の方向で検討開始

【9月11日=石沢】けさ電話にて北九州市環境局業務課に指定袋の件を確認した。「まだ決定した状況ではない」(条例改正していないということ)。ただ45L、30Lの袋で現在のHD、015より厚手の袋を考えている。無料配布の袋が3月頃に使い終わることを考え、6月頃から市内スーパー、コンビニで店頭販売することを考えている。売価は15-20円/枚程度を考えている。福岡市の認定袋ではなく入札でおこなう。

 


 
札幌市「ごみ袋を考える懇話会」が審議

【9月10日=丸山】札幌市環境局清掃部業務課を訪問した。前回の訪問で、札幌市は一般ごみの指定化を検討していることは聞いている。しかしその時点ではあくまでも検討段階であり、それ以上のことは話せないということであった。

 現在、来年10月からの予定で資源ごみの分別回収を検討中。資源ごみとは缶、瓶、ペットボトルのことで、これら3種を一つの袋にまとめて分別回収する。資源ごみの袋については印刷入り指定袋にするか、透明袋指定にするかを検討しているそうである。

 環境局ではこういった問題を考察するために「(市民マナー)ごみ袋を考える懇話会」という審議会を作っている。メンバーは11名。この会に参加する資格について聞いたのだが、あくまでも清掃部の判断でメンバーを選出しており、新参加者については今後も現在のメンバー以外を加えることは一切ないそうである。新参加者は認められないが、ただ意見があれば有り難く頂きたいということ。いまの会の雰囲気では、印刷入り指定袋と透明袋指定のどちらに賛成意見が集まっているかを質問したが、まだ答えられないないということであった。


《メンバー》

鎌倉氏

清掃部業務担当部長

佐久トシ子(社)

消費社団体関係

松田初夫

地域リーダー関係

池田都詩子

生協組合関係

岡谷旬恵

リサイクル団体関係

松村操

主婦

佐藤桂子

主婦代表(札幌中央区メダカ連合会元会長)

藤川正二

製袋団体(道ポリオレフィンフィルム事業協同組合常務理事、北一化学社長)

林貞夫

製袋関係(蝶理札幌出張所所長)

岡本敏明

小売関係(日本チェーンストア協会協会北海道支部事務局)

高沼勇

収集関係(札幌市環境局清掃部処理場管理事務所)




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