本文記事―97年8月

 


 
ダイオキシン問題で塩ビ業界窮地に

【8月25日=小塩】ダイオキシン問題が注目を集める中、塩ビ業界が窮地に立たされている様子を8月25日号の「日経ビジネス」が紹介しています。取材のバランスが見事で、注目記事といえましょう。

 記事はこんな調子です−−ダイオキシンの発生源として塩ビが槍玉に上がる風潮が強まるなかで、キャッシュカードや業務用ラップが塩ビから代替素材に切り替わっている。そうした需要減を受けて、塩ビ業界は5年連続赤字の大打撃。

 以下そのまま引用−−塩化ビニル工業協会の專田彬会長(東亞合成社長)は「塩ビはスケープゴート(犠牲)にされている」と憤慨する。環境庁、厚生省、通産省も「ゴミの中の塩ビの量が減るとダイオキシンの濃度が下がる科学的なデータはない」と説明する。最近では焼却するゴミの中に、塩ビだけでなく、塩分があればダイオキシンが溌生すると考えられている。東京都のゴミを調べると、全体の中で塩ビの占める割合は1%にすぎない。半面、塩分は生ゴミや木材などにさまざまな形で大量に含まれている−−。

 塩ビ業界はこれまで産業界の黒子に徹してきたので、消費者に対する広報活動は完全に後手に回っている。世間では「塩ビ悪者説」が定着。「このままでは塩ビ業界は存続できない」(専田・塩ビ協会長)と危機感は深刻だそうです。

 ごみ袋の材料に使われているポリエチレンはといえば、一般的な意味でいえば有害性はまずほとんどないといえます。しかし人々からはよく“ビニール”と混同されているだけに、身につまされる話であると感じます。

 


 
山口市、指定袋決まる

【8月22日=勝田】8月4日、山口市で指定袋の説明会が開かれました。 なんと炭カル+フェロキサイド入りです。これまで当社代理店が何度も市の方に問い合わせていましたが、説明会が開かれるまで明細は教えてもらえない状況でした。そしてふたを開けてみれは説明会が開かれる前に卸販売店が決定されており、事後報告の形で経過説明がされたようです。

 卸業者の募集は無いこと、試供品配布・地区説明会の前に指定袋を販売開始することは妙なことだと思います。卸業者2社は、山口県薬(農業関係)・新英産業(包装資材)、地区分けで2社選ばれていますが、2社とも大倉工業の代理店です。市当局と製造業者は接点が無いことになっており、入札は開かれません。卸業者が市に対して、販売実績を報告する事になっています。製造計画は誰が行うのか不明になっている点も不可解です。不明な点が多く、これに決めた、これを使え、これを買えという感じが伺えます。

 燃えるごみ用が指定袋となり、燃えないごみは透明系のごみ袋を推奨しています。レジ袋の使用は収集効率が悪くなるという理由で禁止しています。

 燃えるごみ用指定袋のスペックは、炭酸カルシウム(20%)、活性フェロキサイド(1%)の黄色半透明です。ただし材質は明記しません。サイズは3種類で、各10枚入り。

       卸価格          販売価格

 45L(大) 650X800X0.03   85円    100円
 30L(中) 500X700X0.03   74円     90円
 20L(小) 450X570X0.03   64円     80円

 

 市側は指定袋導入の目的として6項目挙げています。

  ・中身を分かりやすくする(分別の徹底)
  ・ごみ問題への関心を高める(減量化)
  ・ごみ集積所付近の美観を良くする
  ・ごみの散乱を防ぐ
  ・ごみ収集作業を安全にできるようにする
  ・他市町からのごみ投棄を防止する

 指定袋の材質については、「原料の中に炭酸カルシウムと活性フェロキサイドという燃焼促進剤が混入されており、袋が完全燃焼しやすくなるため、有害なガス発生量が少なくなるなどの特徴を持った環境に優しい袋です」と説明しており、

 導入までの経緯は以下のようになっています。

  7月の市報で指定販売店を募集。9月から11月まで地区説明会。
  7月末、申し込み販売店に説明会通知。
  7月末、 卸業者に対する卸販売に関する覚書を締結。
  8月初旬、販売業者に対して説明会。
  8月中旬、指定販売店と販売に関する覚書を締結。
  9月1日、指定袋販売開始。
  10月、試供品全世帯配布。
  来年1月1日、完全実施。

 


 
東京都事業系シール、値上げへ

【8月22日=小塩】東京都が事業系シールの引き上げの検討を始めたことを新聞各紙が8月22日付けで一斉に報じています。東京都が23区の事業系ごみ処理手数料を全面有料化されたのは昨年12月。「混乱もなくまずまずの成功を収めて」きましたが、「あれから一年足らずで早くも手数料引き上げの検討を始めた」と、やや批判的なトーンが目立っています。

 東京都では、現在の事業系ごみの手数料は1キロあたり28円50銭ですが、実際の処理コストは2倍近くかかっています。シール代のなかにはシール自体のコストが5円程度含まれているわけで、実際には処理コストの半分も徴収していない計算になります。処理料金は有識者による審議会が決定していますが、さまざまな配慮が働いて料金とコストは乖離しています。公営である以上、どうやらプロセスを都民に分かりやすく伝える必要がありそうな感じです。

 


  

考える会の会合、はじめて大阪で開催

【8月20日=小塩】指定ごみ袋を考える会の第12回会合が8月20日、東大阪市の関西化成本社にて行われました。今回は、これから予定されている大阪市の資源ごみ用袋の半透明化および福岡市の指定制への移行が主な議題に上がりました。5月22日以来、3カ月ぶりの会合でしたが、場所が大阪に変わったこともあってか多くの参加者が得られました。例によりそのときの議事録が出来上がりましたのでご覧ください。

 →第12回会合議事録

 


 
東久留米市がタンカル指定化

【8月18日=堀籠】東久留米市(東京)が8月18日より、23区と同じ規格のタンカル袋の指定化を開始しました。市内にある大手スーパーでは指定化に併せて特設売場を設けたということで、他の所用のついでに見てきました。

 特設売場はリビングフロアーのレジ前に広めにスペースを開け、タンカル袋の各サイズを山のように積み、指定化の案内文や各アイテムのサンプルを一枚づつポップの吊り下げハンガーで吊して、お客がサイズで悩まぬように工夫させていました。夕刻の買い物タイムということもありましたが、特設売場はかなりの人だかりができており、小心者の私には近づきがたい光景でした。とにかくゴミ袋の売場に人だかりが出来ているのを初めて見ました。なんで今更タンカルかと、疑問に思いながら売場を後にした次第です。

 




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