聞くところによると炭カル入りというのが炉にやさしくて評判が良いそうじゃないか。 どうせならそれを採用してみてはどうかね?
確かに普通の材質にしたのでは施策としての面白味に欠けますからね。 何か特徴のある材質にすれば、指定にした理由を住民に納得させるにも好都合です。
前向きに考えてみましょう。
もし採用するのなら私の知り合いの業者を紹介しよう。 その業者はすでに方々の自治体で納入実績があるそうだから安心だぞ。
そういえば炭カル入りのほかにも、最近は酸化鉄を配合した袋だとか故紙粉末を混入した袋が、どこかの自治体で採用されたって記事を見た記憶があるわ。 いろいろ種類があるみたいだけど、結局環境にとってはどれが一番いいのかしらね?
ふつうのポリエチレン製で十分ですよ。 炭カルとか酸化鉄とか故紙とか… もういい加減にしてください。これまでそういった特別な効能をうたった素材で、まともな効果の期待できるシロモノなんてあった試しがないんです。 どれもまやかし、無意味で値段が高いだけですよ。
でも炭カル入りは、 あの東京都が採用しているくらいだから、効果は本物じゃないの? まさか 無意味なものは採用しないでしょう。
ご存知ないかもしれませんが、東京都が炭カル袋導入を発表した93年当時、ポリ袋業界では一斉に反発が起きて随分大騒ぎになったんです。 元々、炭カル袋を熱心に売り込んでいた業者は業界でもごく少数で、残り殆どの業者はあんな意味のないものは手を出していなかったんです。 炭カル袋の氾濫は、自治体がよく情報を確かめずに採用してしまうことに原因があるんです。
犬や猫が近寄らないように臭いをつけた袋も効果がないの?
まともに効果の期待できるものなんてまず、ないと言っていいでしょうね。 本当に良いものならとっくに多くのメーカーが発売してますよ。
なぜ一部のメーカーは意味のないものを効果があると宣伝してまで売ろうとするの?
自治体がそうした素材を好んで採用するからです。 もし指定袋として採用されれば、ほかの業者は作っていませんから、すべての利権が自分たちのところに集中することになります。 彼らにはそれが魅力なんですよ。
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