シンガポールゴミ事情ボーダー
Vol.3

地球イラスト

ゴミの上をクルマで
ドライブできるようにする計画が進行中。
工事は大変。

 




 満杯になったゴミ捨て場は、その後どのように利用されているのでしょうか? シンガポールではただいま、使用済み捨て場の上に高速道路を建設中です。1997年に満杯が予想される捨て場のうち、一部(1978年から1983年まで使用)を転化利用しようというもの。島内の北と東を結ぶこの高速道路、建設費用は3,900万シンガポールドル。1994年5月に着工し、今年中に完成予定です。

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 広さ5.5ヘクタール(=7個のサッカー場)、深さは7階建てビルに相当する捨て場の上に、道路を作る。このことは簡単ではありません。

 

安全のための対策

(1)腐敗ゴミから発生するメタンガス対策

 作業員はガスマスク着用。作業車は、引火爆発の危険度を低くするため、ガソリンではなくディーゼル。ダンプカー、ブルドーザー等はエアコン車を使用し、作業員がガスを吸引する機会を減らします。

(2)火災発生時における隣接の捨て場からの延焼対策

 隣接する捨て場は依然として使用中のため、万一火災が発生した場合は道路下のゴミに引火の可能性あり。そこで使用中の捨て場と道路建設地との間に長さ200メートルの壁を土中深くまで作っています。

(3)地盤沈下対策

 道路の断面は下から、もともとの地面→ゴミ(深さ13メートル)→きれいな土→砂利→硬質プラスティック→コンクリート→アスファルト(=道路表面)という具合。ゴミの腐敗が進むと、地盤沈下を起こし、アスファルトに亀裂が生じます。そこで、もともとの地面とアスファルトの間にコンクリートの柱を約1,000本埋めます。

(4)ゴミからの腐敗液体対策

 腐食した液体から上記柱・コンクリートを守るため、特殊な硬質プラスティック加工をほどこします。

 

シンガポールの道路事情

 シンガポールはたいへん道路事情が良く、島内に高速道路がはりめぐらされています。しかも基本的にはタダで通れます。ただし、政府はクルマの数を規制するためにクルマの値段をべらぼうに高くしており(1,500ccの日本車が新車で1,000万円くらいします)、また渋滞緩和のために一部地域では通行料を徴収しています。

 とは言ってもバスやタクシーは安くて便利。成田から実家へ帰るのは難行苦行ですが、チャンギ空港から自宅へは実にラクチンです。滞在している4年間、シンガポール政府に税金を(結構)納めてきたのですから、交通の便を享受できて当然当然。そこへゆくと日本は、たくさん税金を納めてもあまり便利を実感できないですよね。

 



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