会合議事録ボーダー


第11回


日時:`97年1月23日(木) 15:00〜17:00
於:サニパック地下会議室


参加:(順不同)

株式会社ケミカルジャパン
ニッコー株式会社
三井東圧プラテック株式会社
蝶理株式会社
株式会社ハヤシ
関西化成株式会社
智工業株式会社
日本サニパック株式会社

武田代表取締役
松澤営業部長
高口営業一部長
盛山部長役
村田東京営業所長
寶田代表取締役社長
北島企画部長
大野部長、小塩、馬場

 

 

武田 昨年、念願のパンフレットが出来まして、それぞれの市町村に送りました。そして、添付したアンケート用紙の返事が、皆さんへもすでにファクスで流してますが、ここにファイリングしてあります。内容は、それぞれの見方があると思いますが、なかなかの反響でして、面白いんじゃないかと思います。では、アンケートの感想なども含めてまとめを小塩君のほうからお願いします。

小塩 まず返信総数ですが、だいたい220ぐらいは着いています。送ったのが自治体関係が3,700部で、「元気なごみ仲間」に800通ほど送ってるんですよね。それで自治体から返ってきているのが100ぐらいで、一般の市民から返ってきているのも100ぐらいと、ほぼ半々です。返ってくる率としては、自治体のほうが悪く、市民のほうが良いということになりますね。3700出して100返ってくるっていうのは、一般のアンケートの常識からいったらかなり良いほうだと思うんです。しかも、冊子(ごみ袋通信)希望者は390円の切手を同封してきてるんですからね。それだけ関心を強く持たれている方々が大勢いたってことです。

 内容に関しては、皆さんにもファクスで送信してある通り、あんな感じです。私としてはパンフレットの内容量が多いので、消化不良を起こされるんじゃないかという心配はあったんですが、8割以上の人は内容を十分によく理解してくれているという感じですね。2割ぐらいの人が、文章が多いとか文句を言ってきましたけど、まあ、まずまずでしょう。

 

担当者に届いてないケースも

小塩 相手先の正確な部署名がわからなくて、役所宛に発送して「担当者の方に渡してください」っていう送り方をしたのが相当数あったんですね。それで担当者の手元まで届いていないというケースが実は結構ありまして、今までわかっているだけでも大阪市とか高松市とか、和歌山市もそうですね。「雑誌で見たんだけどうちにまだ届いていない」という電話が結構ありました。そういうふうに来た所にはもう1回送っているところです。 また、うちの社員が役所に行ってパンフレットを見せても「初めて見たよ」って話になる場合もありました。結局、役所の中の誰かが開封して、その人がガメちゃって担当者まで渡ってないってことが想像されます。

―― 昨日も神奈川県の松田町から電話がありまして、指定袋の担当者なんですけど、「コピーのコピーのコピーのすごくカスレたやつが自分の所にまわってきた。現物が見たいからもう一度送ってくれ」というんですね。

―― 担当窓口に着いてないっていうのが一番困るね。

小塩 そうですね。

―― どれぐらい着いていないかだね。

武田 結構あるかもしれないね。

小塩 1割なのか3割なのか、ちょっと見当がつきません。

 

受け取り方の違い

武田 行政の担当者と一般市民とで受け取り方は違いますよね。

小塩 指定袋をもう導入してしまった自治体からもかなり返ってきてるんですけど、そういう所は体裁を繕いたいっていうか、自分たちがやってることは間違いじゃないんだっていう雰囲気で書いてますよね。一方、指定袋をこれから検討するとか、まだやっていないという所は、わりとフリーな、フランクな立場で考えてますから、「『考える会』の主張に賛成だ」みたいなニュアンスの返事を書いてきてくれたところが結構ありました。まあ、いろいろですけどね。

 それと、住民というかごみに関心のある市民のほうからの返事は、私の印象では7割ぐらいがうち会の考え方に近いんじゃないかという気がします。まあ反対の人はそもそも返事を出さないんじゃないの? なんて話もありますから、そのへんは割り引いて考える必要があるでしょうが。

 そこそこ世間の人から受け入れられるセンで我々はやっているのかな、という気がします。今度この答えを全部1つに集約しまして、冊子みたいなものを作ろうと思っています。それをこれから指定袋を検討するという自治体に持っていき、「これに全部目を通してから政策を進めていってください」とやれば、担当者には相当のプレッシャーになるのではないかと思うのです。

 

炭カル見直しの動きも

―― さっきの小塩さんの話ではないけど、指定袋を導入していない自治体にとっては、非常に参考になったね。返事の中にも「勉強になった」とか「参考にしたい」っていうニュアンスのコメントが多いですよね。

―― それと、行政のほうでやけに「炭カル無用の根拠を示してほしい」という意見が目立った感じがしますね。

―― 炭カルを実際導入してる自治体担当者も、効果がないという情報も入ってきて、混乱しているんだと思いますよ。

―― あの人達はわかってないですからね。どこだったか炭カルを3、40%入れてたものを5%にした所があったなあ。

―― 来年の9月には見直すとかね。だから、見直すためにも根拠がほしい。疑心暗鬼になってるということがあるんでしょうね。それにしても意外と炭カルの指定袋が多いですね。

 

今後何をするか

―― この反響をまとめるのはそれでいいですけど、今年は次をどう進めていくか? ですね。

―― 一応、第一目的のパンフレットをつくって配布するというところまでは終わりましたからね。いま相談中なんですが、全部は無理だとしても、その県その県の主だった都市に、我々がそういうものを持って、ただ送るだけじゃなくてですね、訪問するという方法をとるとかですね、具体的にどう行動していくかっていうのが今年の課題だと思いますけどね。もうすでに指定をやってる所もあるし、まだやってない所もあるし、そこら辺をどう振り分けていくか。

―― アンケートの返信には電話番号、ファクス番号、担当者名などは記載されてるんですか?

―― はい、全部入ってます。

―― 人口の大きい所をつぶして、各企業で5市なら5市、全社で50市とかね。小さい市町村までは手分けしてできるかどうか問題あるんだろうけど。例えば、5万人でも10万人以上の市でも、各社が手分けしてその窓口に行って。それで、検討してるとか、今後どういうふうに進めるか迷っているだとか、これから議会にかけるとかって言ってるところは、おさえ込むとか、我々の考える方向にもっていくとか。それが今年の行動じゃないの?

―― 確かにこれ(配布した人口別、都市ランキング表)を見ても、上位13,4の市で相当部分を占めてますよね。

―― うちでは前橋市に行こうと思ってるんですけどね。

―― 前橋市は返事来てましたね。

―― また報告します。あのパンフレット持って説明してきます。

―― お願いします。

―― 実は、さっき行くことを決めたばかりです。

―― 反対するのはいいんだけど、すでに実施している所をひっくり返しにいくのは、東京都も含めて、やっぱりもう無理ですかね。しんどくて時間ばっかりかかってしまうね。

―― でも、東京都は年に1回ぐらいは行こうかって、さっきも話してたところなんです。ひっくり返ることはないだろうけども。

―― 先日、船橋市に行ってきましてね。そうしたら、「サニパックさん、東京都さんからご噂はかねがね聞いてますよ」って。もう身構えちゃって、しょうがなかったですけどね。

―― 多分、いい話がいってるね。(笑)

―― 東京都からいってるみたいです。

―― あんたんとこブラックリストに載ってんじゃないの?

―― 間違い無いでしょう。(笑)

 

小田原市で指定の動き

―― ちなみに小田原市はどなたか情報ないですか?

―― 小田原市はまだ。やることはやるって言ってます。

―― 実は、ちょっとお客さんから依頼されて、市のほうに電話したんですけどね、私。そしたら、4月1日からやるんだけど、まだ特定の業者も決めてない、ただし4月1日から実施すると。しかし、そう言ってるわりには4月1日という始まりが早すぎるんじゃないかということで、馬場君に行ってもらったんだけど、その後をまだ聞いてない。

―― すみません。報告もしないで。これが資料なんですけど。もうほとんどやることが決まってますね。

―― 袋は何ですか? 要するに印刷ものですか?

―― そうです、印刷もの。炭カル10%入り。

―― 最近としては珍しいね。

―― 45L、20L、蛍光灯、電池……五種類ぐらいある。

―― そこまでできてるやつは無理でしょう。

―― でも、まだ入札が決まってないっていうんですよ。

―― 決まってないっていっても、炭カル入れるは、印刷するは、では。

―― この資料を見ると、もうサンプルができてるんだね。

―― どこかですでに作ってるんじゃないかと思うんですけどね。

―― それだったら入札っていうのは何かわざとらしいね。

―― 「我々が参入する隙間がありますか?」って聞いたら、「ああ、ありますよ」って言うんです。

―― そりゃ、無いとは言わないでしょう。

―― 数量は100万袋なんでしょ?

―― いや、1000万袋。人口が20万人ですから、市が全部買い上げるとなると、それぐらいいっても不思議ではないです。

―― 買い上げで、小売店に○○円で売れっていうの?

―― 横浜市と同じ?

―― 横浜市は事業系ですから、あれよりも規模は大きいですよね。

―― 一般家庭用?

―― そうです。

―― じゃあ、小田原市はもうどっか決まっちゃってるんだ。

―― おそらくもう決まって、つくってると思いますよ。手分けして調査することも重要ですが、今年の4月から動き出す自治体は結構多いと思うんですよ。しかも中堅クラスの人口2、30万。そこをもっと早く活動していかないと、どんどん広がるばかりです。

―― 東京都も家庭ごみの有料化を考えているみたい。

―― まっ、印刷じゃない所もあるけどね。一般品で中身が見えればいいよ、っていう所も四月から多いね。

―― それはそれでいいんだけど。小田原市みたいなのが困るんだよ。

―― この近辺多いんだよね。足柄とか。

―― ええ。静岡の東側と神奈川の西側と。

―― しかも炭カルがからんでるでしょ。

―― 業者は1社でとか。

―― 炭カル10%でも無地ならまだわかるけど。印刷まで入れるっていうのはね。

―― 北陸のほうの市議会議員から事務局に年賀状が来ていて、その人は孤軍奮闘で炭カルに反対してるんですけど、私がニュースステーションのビデオテープとか月刊廃棄物の原稿を送ったら、「議会で論戦するのに大変役立ちました」ってお礼状が来たんです。そこも市が入札で買い上げて、住民に売るそうなんです。1社独占ですね。手紙の文面に「それは独禁法に引っかからないのか?」って書いてあるんですよね。やっぱりその辺、研究していかなきゃいけないかな、といつも思うんですけどね。町ぐるみというか市ぐるみで、単一の商品しか使えないっていうのは、他の商品では考えられないことです。

―― 関空の事件もそうですよね。どうしても一社っていうと勘ぐりたくもなりますよね。こういうの見てると、デキレースでしょ? メーカーと打ち合わせてなきゃ、これだけのスペックのものができるわけないもんね。東京都もそうだったしね。

―― しかし、この小田原市のパンフレット、銭かけてるね。うちのパンフレットよりかけてるんじゃないの? ページ数が多いもん。

―― 税金だもんね。

―― 全部ごみ袋の話? これ5万部とか刷って、各世帯に配布してるわけ?

―― 何所帯いるの?

―― 人口が20万だから、6,7万世帯ですね。

―― 配るのは、自治会を通じて配るんでしょ?

―― うちがパンフレット一万部刷るのにすごいお金かかってるわけですからね。

―― 市はいくらでも使えるから。自分の金じゃないんだから。

 

優先して回る自治体のピックアップを

―― 話を戻すけど、アンケートの返信はどういうふうにまとめるの?

―― 小さくまとめてページ数を少なくしようと思います。A3を重ねて二つ折りにする感じで。それをまた三つ折りにして定形封筒に入れるようにしたいなと思ってるんです。それをまず、返信してくれた人には全員に送るつもりです。

―― トータルとしての総括はそれでいいんですけど。さっきも言ったように、ここは早めに自治体に足を運んで、ある程度我々の考え方をアピールして運動するとか、その市に対して、行政がある程度の方向に行くように、我々の会の趣旨を説明していく必要がありますね。という意味では、我々の資料としてこの返事を分析したものはできないですかね? 例えば人口5万都市を1つのラインとして、それ以上でこれは早く手を打っておけば、我々の趣旨に賛同してくれるような所がわかるわけじゃないですか。中身を見れば。そこに僕は行きたい。

―― 自治体から返ってきたアンケートは100ぐらい。

―― そのうち50がいけそうだとすると、10社が5市町村ずつ行けば。

―― それは手堅いやり方ですよね。

―― 早くしないと、時間ばっかり過ぎて、隣の町の真似をしてみたり、東京都の真似してみて、右へならえでやられちゃう。それじゃ話にならないわけでしょ? そこをまず止めたらどう?

―― 一覧表をつくるのは難しいことじゃないんです。部長の意見は、確実な方法だと思います。

―― 各メーカーが責任持って、2カ月だったら2カ月の間に絞りこんで、そこをまず回る、ということにしたらどうですか? 間に合わなくなるからさ。早めに順位をつけて。

―― そうですね、◎、○、△みたいに印をつけて。優先順位をつけて。

―― 具体的に書いてくれてるわけですからね。秋からやるとか。

―― それを早くテーブルにのっけて。振り分けは小塩君に一任して。各会員会社の営業所なりと連携して、変な方向に行かない運動を優先させるようにして。

―― 手始めにそれは非常にいいかもしれませんね。見込みがあるところにあたりをつけていくわけですからね。成果があがるのはわかっているわけですから。

―― 我々の運動趣旨に賛成してくれてるわけだから可能性は高い。直に行ってパンフレットに書かれてない部分は我々の知識で話していけばもっと成果はあがりますよ。

―― 返事に書かれていた以外でも、もっと聞きたがってる感じはありますよね。他にも資料がほしいとか。

―― 例えば、四番目の答えが白紙で返ってきてても、じかに色々話してみれば中身が出てきますよ。そういう仕事をしていかないと、この会そのものの継続性とか、今後どういうふうな方向に行くかっていう方向性とか、長期的にやっていくのであればそれだけ行き詰まってきますよ。各社がやっててよかったなあっていう成果をまず出さないと。今のところ、横浜市をみてても福岡市にしても、意見の対立点を解消して、なおかつ我々の思惑通り来てる、っていうところまではなかなか来てませんでしょ。相手も、よくわかったけど仕様がない、やらざるを得ない、とかさ。止められるのは相当あると思いますよ。3割バッターにするためには、僕はそのほうがいいと思うんですけどね。

―― 私がたたき台の表を作ります。

―― それが一番早道だと思います。全体を羅列してまとめるのでは中身が分析されてないからね。誠意と運動して成果をあげるというのは違うからね。

―― それが片方で、もう1つは人口の多い都市ですよね。東京都、仙台市、千葉市は別として。他の100万都市、50万都市を優先してまわるってことですよね。

―― 新潟市みたいにもうすでに半透明とか決まっている所はいいんです。ですから印刷だとか炭カルだとかをまず何とかしなきゃいけないですから。

―― その一覧表は私やれ2週間ぐらいでつくりますけどね。割り振りするやり方はどうします?

―― さっきも言いましたけど、関東にしか無い会社、全国展開してる会社とあると思うんですけど、地方に営業所がある会社はその営業所に押しつけて、関東にしか会社がないのであればその周辺で割り振ってあげれば…。

―― その割り振りをするのは?

―― 小塩さんがすればいい。また集まって割り振りしてたんじゃ、時間の無駄だって。

―― ドラフト会議みたいにやれたらいいのかなと思ってたんですが。

―― 各社がスケベ根性をおこさなければ大丈夫ですよ。

―― では、私が割り振りします。

 

資料作成が課題

―― アンケートをみてると、専門的な知識というか、我々業者が知ってる情報に自治体の人達は飢えていると思うんですよね。権威づけられたちゃんとした資料が存在しない。それを我々がつくって提供してあげるっていうのが大事かなと思っています。そういう資料作りを今年一年かけてやりたいと思ってます。

 ひとつはスペックですね。材質がどうのとか、サイズとか厚さとか強度とか、をどう考えていったらいいのかということ。あとは流通の事ですよね。問屋さんがあって小売店があってとか、業務筋のルートがあって、家庭用があってとか、行政の人は知りませんから、そういうことを説明してあげなければなりません。表現は多少固くなってもいいですから読めばちゃんとわかる資料をつくってあげるっていうのが、業界としての義務だと思うんです。逆に、わからないから皆さんトンチンカンなことをやってくると思うんです。

―― 販売用と共通のツールとしてもほしいよね。

―― 例えば、炭カルですね。炭カル30%という一つの数値がありますね。燃焼カロリーとか単位あたりの燃焼カロリーは落ちるけど、総エネルギーの発生量は変わらないとか、灰の排出量がこうなったとか、そういうやつとか。それから、ローデン、ハイデン、リニア、ベースになる原料がありますね。それらがどういうふうにむいているとか。例えばローデンだったら触って軟らかいとか、ハイデンはガシャガシャしてるとか、レジ袋はハイデンですよとか。世の中にある軟らかいごみ袋はローデンですよとか。まずそういう部分を知らないだろうと思うんですよね。何が一番向いていて、ピュアなものでつくればこういうふうになりますよと。炭カルだって入れればこうなりますよと。そういうやつから入り込んで、原料・製造工程・流通と大分類して、項目をつくって、それに見合う我々の基礎知識みたいなものを一般消費者もわかりやすいようなものにすればいいんじゃないですか?

―― そうですね。章立てして、そういうような本をつくって自費出版したら数千部は確実に売れるんじゃないか?って冗談で話てたんですよ。自治体の担当者は読みたいでしょうから、5千円でも1万円でもお金出して買ってくれると思うんですよ。

―― 編集していく作業が難しいんですよね。月1回の打ち合わせでは埒があかない。

―― 小塩君がある程度原案書いてファクスでやりとりするしかないんじゃないの?

 

会計の問題

―― お金の話になるけど、今回のパンフレット作成で1年半分集めて、あれで賄えたの?

―― あれで賄えません。まだ報告できてませんが、多少不足しました。足りない分は当社のほうで立て替えました。

―― 未入金のところも。

―― それは催促してよ。商売っていうのは予算があって成り立つもので、基本的にお金がかかるのは間違いないんだから。嫌な話はしておかないと、きれいごとばかり言っててもしょうがない。最後は銭の話になるんだから。

―― ツールを大量に印刷すればお金はかかりますね。あと、発送する時の送料ですよね。人間が働くだとか、多少コピーして紙使うだとかは手弁当でいいんじゃないかと思うんですけどね。ツールを作ろうと思うと必ず発生する問題ですよね。

 

情報の共有化(パソコン対応)について

―― うちの社長が言ってたけど、よく小塩さんがこれだけファクスにしても何にしてもやるなあって。ファクス代にしても紙代にしてもタダじゃできないからね。大変でしょう? 受け取る側は、ただ、こんなのが来たなと思うだけだけど。あれだって電話代がかかってますもん。

小塩 ファクスに関しては紙代だとか電話代はいいんですよ。うちの一般の雑費で吸収できちゃいますから。何が負担かというとですね、ファクスで送る人の手間が負担なんですよ。テキストをいちいちレイアウト編集して、プリントアウトして、ファクスマシンに向かって皆さんに流す、その作業で私なんか相当労働力喰われちゃうんです。その辺を省ければいいなといつも思ってて。

 で、いつもこの話になってしまうんですけど、落とし所でいわせていただくと、情報共有の手段をパソコン通信に移行できると助かるなあと。飛躍的に楽になるんです。しかも量は今より3倍の情報が流せます。一度お便りで書いたのがこれなんですけど、これがそのコンピュータなんですよ(モバイルギアの実物見せて説明)。例えば、会社でこういうのが好きな若い社員がいれば、半日で覚えられる作業ですから、誰でもできるんですよ。お金も電話代はガンガン使ったってせいぜい月に1,000円もしませんし、パソコン通信やる以上は商用ネットですから、ニフティーサーブと契約すればニフティ社からチャージを取られるわけですが、それもどんなにやったって3,000円かそこらです。それを各社が対応してくれれば。メンバーみんなのコミニュケーションインフラとして確立すると素晴らしいんですが。

全員 ……。(無言)

―― どういうもんなの?

小塩 出張の時に持ち運んでんです。単3電池2本で30時間動きますから。

―― 軽いの?

小塩 軽いです。

―― どれくらいすんの?

―― 5万5千円ぐらいです。(しばらくの間、パソコン談義)

―― まあやってもいいけど、全部の企業がやるかどうか。まあ5万円程度なら。

小塩 全社が対応していただかないと。

―― ごみ袋1銭上げればいいんじゃない。(笑)ほんとに事務量が大変ですね。ひとごとながら。

―― 受けるほうは1社ですけど、全部の同じものが行ってるわけですから。大変な量ですよね。

―― また来てる、ってぐらい来てるもんな。あれだけ手間暇かけてね。

―― 何時つなぐかとか、ルールを決める必要もあるんじゃないですか?

―― カタログだとか、機能だとかを各社に送ってくれる?

小塩 わかりました。

―― まあ、会社で検討するっていうことで。

小塩 機械が嫌だっていう方は部下にプリントアウトまでやらせたらいいんですよ。あとは、文章も本人が打ち込むか誰か代理に打ち込ませてもいいんですけど。私を経由しなくても全員に文章が行くんですよ。

 

定例会合のあり方

―― 集まる回数なんですが、月に1回集まってるんですが、毎月でいいのか、ここの所、内容も変わってきましたよね。もちろん行動もしなくちゃいけないんですけどね。従来通り月1回でよろしいでしょうか?

―― 議題に合わせて、必要な時に集まればいいんじゃないですか? 確実的に。月に2回やらなければならない時はやればいいし。ただ、忙しいスケジュールもあるから、やる場合は、早めに連絡してほしいですけど。必ずしも1カ月に1回する必要はないと思いますよ。

―― 私もそう思うんです。といって今度割り振りを具体的に煮詰めますよね。その時はどう声をかけていけばいいか。

―― それは小塩さんの頭の中でいつ頃出来るっていう話が決まってからで。何も無い時にわざわざ集まっても意味が無い。

―― 割り振りとかしますよね。ある程度決めて、皆さんに打診しなければなりませんよね。決めたからお願いしますっていうわけにもいかないですよね。打診する場合には、それからスケジュールを決めて各社に連絡を取ってということでしょうか? 皆さんお忙しいですから、決めておかないなかなか。すぐっていっても難しいですよね。

―― 一方的に割り振るっていうのも、みんなが一任すればいいわけだから。わざわざ集まってやるよりも、ある程度配慮して割り振ればできることじゃないかなと思うんです。

―― では、よっぽどの議題があったときだけ。どうしても皆さんで採決をとる時とかしなきゃならない時だけは事前に連絡をとるということで。今回の件は事務局のほうでやってもらって。

―― 僕がそう言ってるだけで、腹の中で反対だと思ってる人がいたら困るんで、議長さんはそれでいいかどうか皆さんに聞いてくださいよ。反対だったら困っちゃうし。

―― 意見が皆さん出てこないんで。

―― 自治体調査の整理でしょ、確かにいいと思います。割り振るほうは大変だと思うけど。

―― そのほうがいいでしょ。みんなが決めたことは義務が発生するしね。

 

POF工業組合へのアプローチ

―― 自治体の調査ですが、対象数が多いと思います。この会はフィルムメーカーがおらず、販売会社ばかりです。工業会へ話し合いはしないんですか? 工業会として指定袋が増えることをどう思っているのか?「考える会」としてフィルムメーカーの意見を聞くことは必要だと思います。フィルムメーカーだって、指定袋になったらロスが使えなくなるわけですから。通産省も巻き込んで反対しなきゃだめですよ。全国の自治体を説得してまわるのは至難の業です。違った形のアプローチを考えては? 別に我々が力不足と言ってるわけではないんですが、労力的に大変です。

―― そういう話は前から出てます。

―― 「全部の自治体が指定袋をやったら一体どうなるんですか?」っていうことで工業会なんかを動かさないと、しんどいかなって気がするんですよ。インフレ屋のほうで「それでいい」って言われたら、それでお終いですけど。我々が反対したって前に進まないですからね。

―― そうでもないみたいですけどね。

―― 始めからその話は出てました。チェーンストア協会、POF組合への提案。しかし、○○化学さんのような”何でも作ります“っていう推進派がいることも事実なんです。指定袋については、スーパー側でも頭をかかえてます。反対派だからこちらが尻込みして申し入れしない、っていうのはおかしいと思います。正々堂々と向こうと渡り合える気構えぐらい持って、代表者が話の申し入れをしてもいいと思いますよ。

―― POF組合へ申し入れをしようと思ってます。

―― 大倉工業さんも積水化学工業さんも興味は持ってるみたいです。事務局には行ってませんけど。

―― 僕が行った時は、HDPE事業部の事務局長は厚生省か何かの役人あがりらしい。今はどうなのか知れませんが。

―― POF組合の理事長である松木さんのタマポリはごみ袋をやってないから興味がないんです。東京都の騒動の時もそうでしたが、ごみ袋を一切やってないもんで興味も関心もないっていうのは皆さんからよく聞く話なんですね。工業組合の中に大倉さんや和田さんなんかが入ってるごみ部会っていうのがあるんですけども、まとまりは無いようですし。ほんとにあそこはどうやって方針が決まるのかわからないような組織だなという印象がありまして。我々が申し入れするっていうアイデアはすごく魅力的なんですけど、実際やるとしたらどこの誰に対応してもらうか見当がつかないんですよね。

―― 小さな部会はダメですよ、大手だけが集まってるような。

―― 九州のブロックは完全な談合組織みたいになってますよね。

―― それを打開しなきゃダメですよ。こういう席で値段を上げようとか言い出したら、会は消滅しますね。会の思想というか路線というかポリシーが確立してないと会は存続しませんよ。そうでないと利害ばっかりを求めてしまいますよ。この会の良い所は、情報を公開してるところ。活動がきちんと報告されてますからね。

 

政・官・業の癒着の実態

―― 自治体が指定袋をやるのは、裏で業者がついている場合もあるでしょ?

―― あるケースとないケースがあります。影の業者がいる場合もあるし、自治体が率先してやりたがってるケースもあるんです。

―― ヒモ付きごみ袋を販売している会社に知人がいまして、話を聞きますと、やっぱり自治体にかなり売り込んでるんですよ。裏から操作してるらしいんです。いろんな人間を使って、市に働きかけてるようですね。それで市が指定するわけですよ。1社しかできないモノを入札にかけられるとどうしょうもないんです。

―― 現に何カ所かあるよね。

―― もっと増えることを盛んに言ってましたよ。彼らの話を聞くと、地元の有力者、市会議員経由の動きほうをいろいろな所でしてるようです。逆に、我々が反対するとなると何らかの圧力を発生させないと難しいのかな、という気がしたんですよ。

―― お客さんから「ヒモ付きごみ袋出すの?」って聞かれて、何でかと思ったら有料化になるとヒモ付きごみ袋のほうがごみがたくさん入るかららしいんだけど。

―― メーカーからもそんなような売り込みのファクスが来てましたね。

―― 上田市じゃなかったっけ?

―― 販売店がそういうことを言い出すということは、検討対象になってるわけですよ。

―― 中国でも製造してるのは一社だけでしょ? 今年特許がおりるんでしょ? 八尾市のやつもそうでしょ。

―― 東京都だって有料化になればヒモ付きが入って来ますよ。今はシールさえ貼ってあれば持っていってくれますから。印刷とか炭カルとか入れなければまだいいんですよ。それでフリーで売らせてくれれば。市で買い上げる、印刷は入れる、となると何百種類も作らなくちゃならなくなるわけですよ。小田原市でも五種類あって、それが市の数分になるわけだからね。

―― ひとつの市町村をひとつのマーケットとにらんで、そこを政治家と癒着して、自分のところ1社にお墨付きをもらってしまえば、まるごと1つ新しい商売が自分のところに転がり込むわけです。そういう発想で売り込むメーカーがいるのは確かです。沼津の○○とか、静岡の○○とか、大手の○○なども含めて、いっぱいあるわけですよね。そういう所はそれなりにノウハウがあって、議員さんを使ったりして。私はそういうのは、もう時代じゃあないと思ってるんですね。だから、どうやってくい止めるかっていうのを、プロフェッショナルな弁護士などの先生をブレーンに使って、あるいは市民オンブズマン制度のノウハウをいただいて、全部に対してではなく、一カ所を象徴的にやっつけちゃうんです。それを全体に周知させて抑止力にする方法しか、ないんじゃないかと思うんですね。

―― 話題性をつくりあげるためにはどうすればいいかってこと?

―― 例えば小田原市でも、実は裏で癒着があるかどうかは証拠がないのでわかりませんが、マスコミに訴えてキャンペーンをはるとか。東京都の時は、まさにそれがうまくいったわけですけども。ローカルな都市であまりえげつないことやってるやつを一個つかまえて見せつけて効果を期待しないと。1カ所1カ所にぶつかってやるっていうのは物理的に不可能ですからね。

―― 地元のコンバーターはそれで飯が食っていけるんです。それでいいかどうかです。全国展開している我々とは発想が違うんです。

―― 結局は海外製品が入ってきて自由競争になれば自らの首をも絞めることになる。

―― それが東京都の時あったわけですよね。高値でいけると思ってたのが、そうじゃなかったわけですよね。

―― そうです。

―― タイ行ったら、全部東京都の袋つくってるってよ。

―― 思惑が外れたでしょうね。あれが決まった時に、HDPE委員会でドンチャン騒ぎやったらしいね。ところがどっこい、いっぺんにグチャグチャになってしまって。

―― 指定袋をけしかける連中は、自分達さえ良ければいいっていう頭で一所懸命エネルギー使ってますから、思惑を外してやるっていうのが一つの対抗策だと思うんです。ですから当社では、独占状態の自治体に後から乗り込んで崩していくんです。そうしないと懲りないですよね。

 

POF組合に対し呼びかけへ

―― 話は戻りますが、向こうがどう出ようが、ノックはすべきですよ。あれだけ加盟社がいるんですから。大手3,4社が牛耳っているわけですから。

―― ごみ袋はリサイクルに一番良い商品だった。それが指定袋化でリサイクルの道が閉ざされた。真剣に考えさせる必要がある。私らも考えなきゃなりませんが。全部が動いてくれるとは思いませんが。

―― 今の話を聞いて思ったんですが、攻め方としては、1つはPOF組合の窓口にオフィシャルに申し入れをするやり方、もう1つは名簿に載っている各インサイダーに個別にアプローチをかける方法と、2通りあるなと思ったんですけどね。

―― 基本的には敵をつくらないこと、お互いの敷居を高くしないこと、です。

―― POF組合へは一度行ってみる価値はありますね。

―― 我々10社だけでは無理。

―― 一応POF組合が窓口になってますからね。断られるかもしれませんが、申し込んでみます。

―― 大手が「うん」と言ったらオーケーですよ。

―― POF組合も実際には六社で動かしてるとこなんだから。

―― 申し込んで行くんだったら、5,6社とか大勢の人数のほうが面白いんじゃないでしょうか。

―― 頭数ちょっとでも多いほうが迫力あるんじゃないの。

―― 窓口にオフィシャルに。総会に出してくれるんだったら、それでもいいし。

―― 組合ですから、窓口では返事できないと思うんですよね。組織的には会議か何かにかけなきゃならないわけですよね。

―― 解散するっていう話もあるし。

―― この件がきっかけで組織がおかしくなるんじゃないの。

―― 各社の格差があるとかいろいろ問題があって、大して意味が無いらしい。脱退するっていってる所がいっぱいあるわけですよ。既に辞めちゃったとこもあるし。結構、高い金払ってるでしょ。

―― もともとHDPEのパテントから集まったんだもの。

―― 金だけあって大した目的の無い会になってしまったからね。

―― 中には何社かはまともなところもありますしね。取りにいってるとこばっかりじゃないですからね。やりきれないっていうのは出てますからね。

―― この会だって決まっちゃたからってしょうがないだろうって商売してるんだから。それはお互い様さ。範囲が狭くなってやりにくくなって、無いほうがいいに決まってるけど。決まったら、横浜だってやってるわけだから。それはそれでさ。誰もポリシーがあるから、絶対取りにいきませんって言ってないじゃない。

 

ごみ袋の値入れ率?

―― 量販店のバイヤーさんがごみ袋に関心が無くなってきてますね。ごみ袋の棚割をやって、どうすれば売れるかってやったって、「どうせこっちの店行けばその指定袋が、あっちの店行けばその指定袋があるから」って。

―― 境にまたがってるところなんか。

―― 店長が買いにいかなきゃいけないんでしょう? そこの商工会か何かに。お金持って買いに行って。

―― 入札制の指定袋なんか「取りに来い」だからね。誰も配達してくれないから。

―― 配達もしてくれないからね。「買いに来い」って言うんだからね。お金持って。バイヤーも嫌になるはずだわ。利益も数パーセントでしょ?

―― たばこみたいにね。委託販売みたいなもんですね。

―― 「利益」じゃないですよ、「手数料」ですよ。

―― 商売になりませんね。

―― 売上的にはあるでしょうけど、利益がありませんからね。

―― あの、月曜日に船橋市市役所へ行った時に聞いた話なんですが、船橋市はいまグリーン着色の指定袋があって、谷津商会という地元の業者が独占で販売しているんですけど、市の職員に「どうなってるんですか?」って聞いたんですよ。そしたら市の外郭団体で環境公社というのがあって、そこが谷津商会から仕入れて独占して売ってるんですね。それを市内の販売店に配荷してるんです。値入れが指定だから薄利で、売価も安いんですよね。市販の黒袋よりも安いんですって。今度指定袋を全面強制して自由販売にする予定なんですよね。で、担当者が言うには、「ごみ袋の値入れ率が40%とか50%あるのはおかしい、儲けすぎだ」っていうわけなんです。「そういうことを公務員の方が言うのは問題あるんじゃないですか」って言ったら、わかってないんですよね。役人の認識はそんなもんです。

―― 手数料程度じゃ、スーパーに置けない、っていうのはエレベーター一機動かすのに月に何百万円って言ってたっけね。そういうことが見えてないっていうか。だから、4割、5割とってボロ儲けしてるって言うけども。

―― 雑貨の場合、棚家賃が40%ないと赤字らしいですね。ナショナルチェーンの場合。

―― 確かに小売店はごみ袋販売に関してやる気を無くしている。これからも増えてくだろうし。棚割も下半分空けて、「あとは各店舗で好きにやって」っていう感じですね。バイヤーはごみ袋の売上を期待してませんね。

 

今日のまとめ

武田 それではアンケートのとりまとめ、自治体調査の割り振り、POF組合への申し入れは事務局のほうで進めます。また、連絡しますので。

小塩 パソコン導入も是非検討してください。

―― そのパソコンのパンフレット送ってください。

武田 他に何かありますか? 次回は未定で、必要になった時に集まるということで。それでは今日はこのへんで。

 


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