会合議事録ボーダー


第5回


日時:`96年5月24日(金) 15:00〜17:30
於:サニパック地下会議室


参加:(順不同)

株式会社ケミカルジャパン
関西化成株式会社
智工業株式会社
蝶理株式会社
ニッコー株式会社
株式会社ハヤシ
日本サニパック株式会社

武田代表取締役
寳田代表取締役社長
北島企画部長
矢崎課長
松澤営業部長
村田所長(東京営業所)
大木本部長、大野部長、小塩、馬場

 

 

各社近況報告

―― 横浜市事業系ごみ全量有料化の件ですが、今度、神奈川おしぼり組合が15社(約15,000店舗)で発足します。そして来週にでも陳情に行く予定だそうです。

武田 東京都の方はどうなってますか? 

小塩 5月23日に日経新聞に掲載されましたが、東京都はシール販売店を公募します。対象は四千店舗で、6月に公募するようです。応募が多い場合は抽選で決定します。コンビニエンスストアは無条件で販売権を与え、それ以外を公募するという情報も聞かれます。手数料は1セットにつき75円です。

―― 「手数料が安いからやりたくない」という小売店の声も聞いてます。

―― むしろ、ごみ袋を扱うというよりも、場所を取らない切手のようなものですから効率はいいと思います。

武田 すでに与野市がやってますね。聞くところによると販売店の数を制限していないので、希望する店が殺到してるようです。

―― 委託という形式をとってるようですね。店は仕入は行わず、月末に在庫表を提出します。市からは販売した分の請求書が送られてきて、店は支払いをします。その後で市から手数料を送ってくるらしいです。

ちなみにニチイでは指定袋を売場では陳列しておらずサービスカウンターで販売してます。それも店員に訊かないと売ってくれません。どうやら店にとっては経理上は売上にもならないようです。

武田 狭山市が10月から半透明化になります。所沢市も来年からなるようです。八王子市はモデル地区で実施しています。

小塩 武蔵野市が事業系で有料化を始めているようです。

武田 ハヤシさん、何か情報ありますか? 

―― 私も代理で来てますし、関西地方が主な売り先ですから。

―― 私の方も具体的にはないですね。

―― 三郷市、八潮市、越谷市が半透明なんですが、可燃が0.025ミリ、不燃が0.03mm以上の規格なんです。HDPEでは0.025mm以上とは、ちょっとおかしいですよね。

小塩 郡山市も厚みの規定があります。和田化学さんの助言で決定したと市の担当者から聞きました。

―― 四月からスタートしていますが、今のところ一斉に売れるということはないですね。黒袋がまだ売れています。

武田 狭山市もそうです。

―― 場所によっては切り替えの進まないところもありますね。三郷市、八潮市、越谷市もまだ二ヶ月しか経ってませんので何ともいえませんが。

武田 関西の方はどうですか? 

―― ここのところ入札が多いです。八尾市とか。

武田 関西地方も指定袋が広がっているようですね。

―― 四国地方もそうです。

 

パンフレット内容検討

武田 ですから我々の活動を早くしなければならないのです。

そこでパンフレットの作成をするわけですが、内容についてのチェックをしてもらいたいと思います。皆さんに事前に送ってありますので目を通していただいてると思いますが、わかりやすいことを第一につくりました。気付いた点がありましたら、直していきたいので御意見をお願い致します。

 

表紙タイトルについて

―― 初めて参加するんですが、会の趣旨もだいたい聞いてわかってます。

私が受けた印象ですが、このタイトル「指定ごみ袋を一緒に考えませんか?」は指定ごみ袋を推奨している感じがしました。 ”一緒に考えませんか?“の部分が究極の指定袋を推奨しているようにも取れるんです。我々は指定袋にしないシステムを考えているはずだと思うんですが。

小塩 それでは ”考え直しませんか?“なんてどうでしょう? 

武田 行政に対して真っ向から否定するのもどうでしょうか。行政批判の団体と誤解されるのもマズイですし。

―― 怒らせないようなやわらかい表現でないとマズイですね。

武田 「じゃあ一緒になって作ってくれるのか」と思われてもマズイ。

―― 一緒に考えてやめませんか、というところに落ち着かせたい。

小塩 ”考えてみませんか?“

―― ”見直してみませんか?“

武田 再考するっていうのはどうも……。

武田 僕らは分かっているつもりでも、初めて読む人がどう捉えるかですね。

―― ”問題点を考えませんか?“というのは? 

小塩 それもいいですね。でも ”問題点“とやっちゃうと、ノリが前回没案になった「指定袋の○と×」に戻っちゃいますよ。

武田 印刷なしのどこでも売れる透明袋が目的、とわかるような感じがいいと思います。黒袋は今の時代は無理があるでしょうし。

―― 基準になる参考資料がないですからね。

武田 問題点を ”見直す“か ”再考する“どちらかしかないと思うんですが。

―― 指定袋を掘り下げてみたい、ような感じを与えるタイトルのほうがいいと思いますが。

武田 ここが決まらないと……。

―― 書き損じるとつつかれるおそれがありますから。

―― ”一緒“を省くのはどうでしょう? 

―― ”指定“は必要か? 

―― 指定されると困るんですから、入れた方がいいと思います。

武田 要は「指定袋は問題ですよ」と言いたいんです。”問題点“とか”見直す“を入れないと弱い感じがします。

 

パンフレット作成の目的は?

武田 タイトルは難しそうなので、中身からチェックしていきましょう。

―― 実際のパンフレットの大きさは? これ(B4サイズ見開き)といっしょですか? 

小塩 片面A4の見開きになります。

武田 鳥瞰図ですが、セリフが多いのではないかと思います。

小塩 何の興味も持ってない人はこのパンフを読まないと思うんです。興味がある人は熱心に読むんじゃないでしょうか? 

武田 問屋、バイヤー、日本チェーンストア協会等に読んでもらうには、ちょっと見にくいんじゃないですか? 

あらゆる立場の人々が満足できる袋というのは、不可能のような気がするんですよね。黒袋でもない、指定袋でもないとすると、落とし所をどうするのか? どこかに適当な着地点を用意しておかないと、いけないんじゃないでしょうか?

小塩 それにはまず、このパンフレットの役割をどうとらえるか?というコンセプトから固めないとだめです。ほんのきっかけ作り程度の名刺代わりとするのか? それとも最終兵器とするのか? 名刺代わりならばあえて結論を見せる必要もないですし、一方、最終兵器にするつもりなら結論を訴える必要があります。

―― 市側から問い合わせがくるようにしたいですね。

 

どこを落としどころに持っていくか?

 

武田 このパンフレットでどこに落としていくのがいいのか? 問題提起にとどめておくのか? 軟着陸まで持っていくのか?  

―― 軟着陸っていうのは、透明・半透明袋で市販というパターンですね。

小塩 理想としては、黒袋のままであっても、住民がモラルをもって分別してくれればいいはずなんです。我孫子市なんですけど、あそこは分別が非常に有名で、20種類ぐらいの分別をしているんです。使っているのは紙袋なんですけど、住民による分別が限界まで徹底しているから、別に中身の見えない袋で出しても問題はないと我孫子市では言っているんです。

―― 我孫子市の人口ぐらいまでが限度でしょうね。大阪や東京では無理ですよ。

―― 最終的に結論を出してしまうんですか? 

武田 はっきりいうべきところはいった方がいいと思うですが。炭カルのように。

―― 透明化一本槍でない方がいいと思いますよ。

小塩 本音をいってしまえばベストは黒袋で、セカンドベストが雑色再生原料混入の半透明袋。そこまで大胆に言い切ってしまいますか? 

―― 本当にベストといえるんですか? 

小塩 再生利用とプライバシーの保護という点からみればですが。

武田 事実、透明・半透明・黒と3つを並べた場合、黒袋が売れますね。

―― あらゆる面から黒袋が一番と、我々は言えると思うんですよ。

 

指定袋の仕様について

武田 次ページの「考えなければいけないこと」に移ります。「仕様」「しくみ」「政策の本質」とありますがどうですか? まず「仕様」ですが、「炭カル」は問題ありってことでいいですよね。ここが一番のポイントですかね。

―― 問題点はだいたい網羅していると思います。

武田 ここにないですが「厚み」の問題を入れてみては? 

小塩 忘れてました。あとで追加しておきます。

武田 「とって付き」の部分は外してもいい気がしますね。

―― 「着色」のことですが、日本で最初に販売されたごみ袋はブルーです。ブルーというのは、ねずみが嫌がる色なんですよ。

武田 へえ、そうなんですか? ペールがブルーだからだとばかり思ってました。

―― ちゃんと理由があるんです。ペールのブルーも、ねずみが嫌がるからという点からきてるんですよ。それに黒は、黒の顔料だと強度が出るからなんですよ。色素の関係らしいんですけど。

武田 カーボンブラックでしたっけ? 

―― 強化剤の役割をするんですよ。

武田 「透明度の基準」は難しいと思います。お客さんとしても半透明を好むのではないですか?  

―― どっちかといえば多く出るのは半透明かな? 

―― 最近では自治体でも半透明に指定するほうが多いんじゃないですか? 

小塩 この間おもしろい話を聞きました。金沢市は半透明なんです。東京都から転入してくる人が東京都の推奨袋でごみを出すらしいんです。ところが金沢市の職員は「あれは半透明じゃない」というわけです。たしかに考えてみれば、炭カル袋を半透明というのは無理がありますよね。

―― 半透明の基準がわかりづらいから、あえて透明を指定した市もあると聞いてます。

小塩 LDPEのナチュラル指定で、バージン原料じゃなきゃいけないという規格もあるんです。

武田 半透明の基準を行政の人も分かってないですからね。HDPE、LDPEの半透明のきちんとした規格を決めたほうがいいんじゃないかと思うんですけど。

―― 鹿児島市は顔料入りを認めない規格ですね。

小塩 九州地方では、可燃ごみはプライバシーがあるからHDPEの顔料なしによる半透明、不燃ごみはプライバシーがないからLDPEの顔料なしで透明、と妙な使い分をするパターンが多いようです。

―― あまりLDPE、HDPEを区別しない方がいいんじゃないですか。

武田 結論はあったほうがいいですよ。強度も違ってきますし……。

―― 売込みメーカーによっても態度は違ってきますね。

武田 自治体から相談された場合はどうしますか? 

―― どっちの材質でもいい、とすればいいんじゃないですか? 

小塩 使用目的によって使い分けができるよう、どちらの材質でもいいことにしておいてもらったほうがいいと思います。

武田 厚みも規定しないで、メーカーに任せるとか。

―― 最低限度だけ規定すればいいんですよ。

小塩 強度を設ける理由も、クレームが発生した時のために用意しておく自治体側の言い訳的な意味しかないと思うんですよね。

 

「しくみ」について

武田 時間もないので「しくみ」の方に移りたいと思います。「レジ袋の扱い」ですが、これは自治体も困ってると思うんです。

小塩 指定袋制度にとってのアキレス腱ですね。

武田 問題は依然として残っていますね。

小塩 次ページに種明かしが書いてありますが、これはあくまでも問題提起でいいと思うんです。

 

「考える会」が位置するポジション

武田 次のページですが、メーカの位置付けはどうでしょう? 我々の立場の説明にもなるわけですが、「メーカー」と一言でいってもいろいろあるんだよ、ということを言いたいわけです。

―― あまりごちゃごちゃ書く必要はないと思うんですけど。

―― イラストはいいと思う。

武田 自治体の人に理解してもらうためにも絵はいいと思うんです。

小塩 自治体の人から「おたく工場持ってないんでしょ?」とよく聞かれます。本来工場の有無なんて関係ないはずなんですが、これに対する明確な答えを用意しておきたいんです。

―― 我々は流れの中で重要な場所を担っていると思います。

武田 流通が複雑なことを自治体の人に理解してもらいたいですね。

 

「基本原則」をうたうべきか?

武田 一番問題の「基本原則」の部分なんですが、これはわれわれの当面の希望であって、ベストではないと思うんです。言い方にしても、多少きついかも知れません。「考えませんか?」というわりには目的がはっきり書かれてます。そこらへんのギャップが大きいという気もします。もう少しやわらかい表現でもいいと思うんですが。

小塩 それは表現の問題ですから、できると思います。

武田 このページは ”まとめ“にしてはどうですか?「以上のことから、我々は○○と考えます」というふうに。「である」「すべき」という強い調子ではなくて。

小塩 「現状、我々からいえることは○○です」っていう感じですか? 

武田 そうそう、僕はそう思う。「大原則」というのであれば、ステーション収集をまず戸別収集にすべきだといいたい。あくまでもベストでなく、ベター止まりでいいと思う。

―― そうですね、もう少しやわらかくした方がいいと思います。

武田 そういうわけで「基本原則」はなくてもいいんじゃないかと思うんですけど。

小塩 じゃ、我々の方からアドバイスをする、というかたちでいきましょう。

 

会員社名の案内について

武田 このページはあったほうがいいと思います。会員を最後のページに入れるのか、別紙にするのか、僕は別紙の方がいいと思ってます。差し込めるようなかたちで。

小塩 声をかける予定の会社に声をかけて、間に合えば印刷に載せるということにしましょう。

武田 なるべく早く作りたいですね。

小塩 6月の会合で最終確認になりますから、早くて7月でしょうね。

 

会則について

武田 会の規約ですが、高口さんに提供していただいたラップの協会の規約を基にしてつくってみました。私の意見ですが、会長、会計の任期を決めておいてほしいことと、スタート時期を決めておいた方がいいと思います。

―― 役所と同じで年度制にしてはどうですか? 

武田 それでは、96年4月1日からということにしましょう。任期は2年間ということで。会費は前にも話ましたように、半期で1社6万円です。会計の北島さんから請求書がいくと思います。

―― 「規約の改定」は定例会合で行うのではなく、総会にした方がいいと思います。

小塩 総会はいつ頃にしましょうか? 

―― たいていの場合、4月か5月ですね。3月決算のところも多いでしょうから、毎年5月でどうでしょうか? 

―― 会長選出は「推薦」でなく、「互選」と表現したほうがいいんじゃないですか。

 

次回会合の日程 

武田 規約の件で特になければ、表紙タイトルの件に戻りますが。

小塩 次の会合の日付を先に決めた方がいいと思います。

武田 6月21日(金)15時からこの場所で、ということでいかがでしょうか? 年1回ぐらいは大阪でやってもいいと思っているんですが、とりあえず次回だけはここでということに。今年中になんとか大阪で開けるようにしたいと思います。

 

タイトルについて再び

―― なんで自治体に遠慮する必要があるんでしょうか? 

武田 反対するだけでなく、相談にきてほしいんです。できれば自治体と敵対関係にはなりたくないんですよ。

―― 我々の会は何なんですか? 対象は? 行政ですか? 一般家庭ですか? そこらへんを明確にしておくべきだと思います。

小塩 まず我々の存在を今いった全員から認識してもらうことです。対象はあらゆる立場の人たちです。

―― 特集記事を毎回入れて、続き物という感じを与えたほうがいいと思うんです。

小塩 それもやりたいんですが、そうすると予算とのからみもでてきます。

―― そろそろタイトルの結論を出しましょう。

武田 個々に出してもらいましょうか。でもそれだと好みになっちゃって結論はでないですね。

小塩 あとは表紙のデザインなんですが、図鑑みたいに多種のごみ袋を取り混ぜて見せる形にしていきたいと考えています。

―― 表紙の入れる指定袋の図柄ですけど、特定の市町村名をだしたり、あからさまに特定メーカーの袋とわかるような表示は避けた方がいいんじゃないですか? 

小塩 わかりました。やはり特殊な加工については、抜き型程度にとどめておくことにしましょう。

武田 タイトルは大事なところですので、次回までに皆さん考えてきてください。

―― 内容についても何かあれば、それも次回までにお願いしといたほうがいいですね。

武田 それでは今日はこのへんで。

 


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